2025年2月 慈興院大徳寺
お寺の掲示板を更新

“この先も誰かを想うたび
風纏い擦り傷が絶えないだろう”
Vaundy – 風神 より

人と向き合うことは、ときに痛みを伴うものかもしれません。
言葉が届かなかったり、期待がすれ違ったり。
思うようにならないこともあるのではないでしょうか。
それでも、関わることを避ければ、
喜びやぬくもりもまた遠ざかってしまうように感じます。

仏教には「無常」という考えがあります。
物事は移り変わり、
同じ状態にとどまることはありません。
だからこそ、今感じている痛みも、
やがて違う形へと変わっていくのかもしれませんね。

どんな気持ちも、必ずしもそのまま受け入れられるとは限らないものです。
それでも、人を想う気持ちが、すべて無意味になるわけではないはずです。
今は届かなくても、ふとした瞬間に支えになることもあれば、
そっと見守ることで穏やかに続く関係もあるのかもしれません。

そうして過ごす中で、ふと気づくことがあります。
かつては届かなかった言葉が、時を経て自分の中で意味を持つようになること。
思いがけない場面で、誰かの優しさに気づくこと。
報われないと感じた日々も、そうした瞬間につながっているのかもしれません。

何かの意味に気づくときもあれば、ただ立ち止まりたくなるときもあるでしょう。
それでも、そのときの自分なりの歩幅で進んでいければいいのかもしれませんね。

合掌