2024年12月 慈興院大徳寺
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“人と人と人と人が
まだ出会わないことで生きている街”
クリープハイプ – 人と人と人と人 より

一年の終わりが近づくと、これまでの出来事や出会いを振り返ることが増えますね。
出会えなかった人や、まだ結びつかなかった出来事を思うこともあるでしょう。
しかし、仏教の教えに照らしてみると、
それらもまた巡り続けている縁だと気づかされます。
縁は固定的な結果ではなく、
互いに影響し合いながら動き続けるものだからです。

仏教で説かれる「縁起」の教えでは、
すべての出来事や関係性は互いに依存し合いながら成り立っています。
一つ一つの縁は、その場で形を取らなくても、
今や未来に影響を与え、新たな可能性を紡いでいくのです。

年末は、「終わり」と「始まり」が交差する特別な時期です。
この一年を振り返る中で、まだ結ばれていない縁や叶わなかった目標に思いを巡らせることもあるでしょう。
しかし、それらは巡る縁の一部であり、今もこれからも、私たちの中で静かに織り成されていくのです。

例えば、今年達成できなかった計画や出会えなかった人。
それらを「失敗」として捉えるのではなく、
「まだ動き続けているもの」として受け止められたらどうでしょう。
縁起の教えは、そうした見えないつながりを感じながら、
今を丁寧に生きることを私たちに教えてくれます。

こうして一年を振り返ると、
巡る縁が私たちを支え、新しい可能性を生む力となっていることに気づくかもしれません。
その縁を受け止めながら、次の時間を迎える準備をしていきたいものです。
結果にとらわれず、巡りの中で生きることを実感できたとき、心は自然と穏やかになるのではないでしょうか。

「終わり」と「始まり」が交差するこの季節。
巡る縁を感じながら、新しい一歩を踏み出していきたいものですね。

合掌