2017.07.12

太陽 – 時代を築いたリーダー

先日、ある偉大なお方が亡くなられました。

その方は、
日本のトンネル工事の第一人者であり、
映画/ドラマ「黒部の太陽」の主人公のモデルであり、
今の関西の電気供給の礎を築いた方。
そして、大徳寺を若かりし頃より亡くなるまで、愛してくださった総代 笹島信義会長でした。
気づけば、約80年にわたり、毎年、盆正月の年2回 大徳寺にお参りに来てくださってました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170704-00081385-kitanihon-l16

会長さんは、若き日に仏縁に出会われ、
そして仏様に救われ、
その後、大変深い信心をもたれ、悩み苦しんだ時も阿弥陀さまを心の拠り所とされました。

阿弥陀様と人生を共に歩まれたかのごとく、
わずか一代で映画「黒部の太陽」でおなじみの黒四(大町トンネル)はもちろんですが、佐久間ダム、青函トンネル、東京アクアラインなど、
歴史に名の残るトンネル工事のリーダーとして世紀の難工事を成し遂げられました。

そして、会長さんは本当に人を愛されたリーダーであり、
本当に人に愛されたリーダーであった方でした。

それは、人を惚れさせるカリスマはもちろん、
会長さんのいのちを大切にされる、真摯な向き合い方にもあったのだと思います。

大徳寺には、会長さんの元で作業されていた方達で、
殉職された方、物故者の皆様のお名前を、お軸に記載し、
そのお軸を仏様の元に大切に祀っております。
これは会長さんの強い意向があって祀られました。

会長さんは、毎年の盆正月のお参りの際も必ず、
この軸を前にし、御念仏をいただかれておりました。

 
この度の訃報に伴いまして、会長さんの生前の遺言通り、
私は、東京青山葬儀所という場所で、導師をつとめさせていただきました。

葬儀では、弔辞も思いにあふれており、葬儀委員長、喪主の挨拶も実にあたたかい内容で、
そして、会長さんの地元・富山から出仕した僧侶全員が、思いを一つに読経しました。

 
そして、出棺。

出棺の時にいつも思う事。

「旅立つ人」と、「見送る人」、
そこには、「願い・思いを残された人」と、「その願い・思いを受け取る人」の姿を感じます。
それは、どんな人生を歩まれた方であろうと、そこには差や違いがなく、
一つの「いのち」とそれを「引き受ける人達」の姿がそこにあります。

いのちは「わたし」だけのものではない。
これまで様々なご縁と繋がりのなかで育まれてきたいのち。
代々受け継がれ、
そして、先人達から願いを込められて受け継がれてきたいのちなのだと思います。

 
大徳寺 門徒総代 笹島信義氏は、大徳寺の事を本当に熱く思ってくださいました。
本堂再建、境内整備など数々の建設に携わってくださり、
おかげさまで、お寺はみちがえるようになりました。
本当に有難いことだと思っています。
私もまたこうした会長さんの願い・心の思いをしっかりと受け止めたいと思います。

 
地元・富山の皆様へ。

笹島信義氏のお別れ会が、故人のご意向の通りに執り行われます。

【詳細】
2017年7月20日(木) 10:00
場所:ひすい野ホール
富山県下新川郡朝日町大家庄102-1
http://www.hisuino-hall.jp/

※この度の投稿において、
喪主・昭人さんのご意向を受けまして
ご案内を記載しました。

合掌

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